大雨で道路冠水、水面が顔まで… 間一髪で女性助けた3人の勇気

　6月2日に和歌山県内を襲った大雨で道路が冠水して動けなくなっていた70代女性を助けたとして、有田湯浅署は30日、ジム経営の竹井孝顕さん（31）＝湯浅町＝ら3人に感謝状を贈った。女性は自転車で転倒して濁流に流され、水面に顔が隠れるほど危険な状態だったという。赤井啓脩署長は自らの安全確保が第一としながらも、「勇気ある行動で貴重な命が救われた」と感謝した。

　同署などによると、2日昼ごろ、湯浅町内を車で帰宅途中だった竹井さんが、動けなくなっている女性の姿を発見。高台から回ってその場へ駆け付け、自身も柱を握りながら流されないように女性の腕をつかみ、周囲に助けを求めた。状況に気付いた「日産プリンス和歌山販売　有田店」の自動車整備士、古田卓士さん（62）＝御坊市＝と玉置拳斗さん（20）＝岩出市＝が急いで救助に加わり、3人で女性を引き上げた。全員にけがはなかった。

　竹井さんは「1人での救助は難しかった。皆さんで協力したおかげ」と話し、古田さんと玉置さんも「女性が（お礼のため）元気な姿で会社に来てくれて、助けられて本当に良かった」と喜んでいた。【安西李姫】