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道端にたたずむ恐怖の看板 不気味さ人気で缶バッジ化も 鳥取


 鳥取県岩美町の道路沿いにある朽ち果てた学生服姿の看板が話題を呼んでおり、グッズ販売もされているという。「不気味で怖い」というその看板。興味を引かれ、現地に行って確かめてきた。

 鳥取市の東側に隣接する岩美町は人気アニメ「Free!」のロケ参考地や、風光明媚(めいび)なリアス式の浦富海岸でも知られる。そんな岩美町北西部の蒲生川河口の港周辺でその看板を見つけた。

 それは学生服に「文」と書かれた腕章をした少年の姿で道路脇にたたずんでいた。金属製の看板部分の高さは150センチほどだ。裏表に描かれており、さびや風化で黒くなったり、色がはげたりもしており、長い時の流れを感じる。朽ち果てた様子が不気味な雰囲気を醸し出しており、住宅地にたたずむ様子はかなりシュール。何も知らない人が夜間に見たらびっくりするだろう。

 看板は港周辺に3カ所、港から北東に直線距離で3・5キロほど離れた羽尾海水浴場近くに1カ所の計4カ所で見ることができた。いずれもさびや風化具合の違いから表情が違うように見え、怒っていたり笑っていたりするような印象を受けるものも。一緒に記念写真を撮る観光客らしき人の姿もあり、確かに人気があるようだ。

 そんなインパクト抜群の看板を地域おこしに活用しようと目を付けた地元企業がある。「Free!」グッズや土産品を販売する「サンテック」(同町浦富)は2023年1月、看板の写真をあしらった「朽ち果てた学童看板缶バッジ」(直径54ミリ、全6種類)の販売を始めた。

 地元出身の山本健太社長(44)によると、看板は子どものころからあったが、設置時期など詳細は不明で特に意識したことはなかったという。「4カ所以外にもあったかも含め、あまり覚えていないんです」と笑う。看板のはっきりした役割は分からないものの、いずれも横断歩道の近くにあり、手元と足元に棒を差し込めるような部分があることから、のぼりをさして交通安全を呼びかけるものだったと推測されるという。「缶バッジは完全にネタで、そんなにもうけはないんですよ」と明かす山本社長。ではなぜ、商品化したのか。

 岩美町は、以前は「Free!」のファンらでにぎわっていたが、新型コロナウイルス禍で観光客が激減した。「とにかく注目を集め、岩美町をPRしたい」とSNS(ネット交流サービス)で「ネタ探し」をしていた山本社長の頭に思い浮かんだのがこのインパクト抜群の看板だった。以前、岩美町を訪れた旅行者が看板の写真をSNSに投稿したところ大きな話題を呼んでいたことを思い出した。

 22年12月ごろから商品化に向けて動き出したが、看板はいつからあるのか誰が設置したのか詳しいことはわからなかった。設置者の許可を得ようと、苦労しながらもなんとか兵庫県姫路市にある関係業者を特定した。問い合わせてみたところ、その業者は業種も変わっていた。結局詳細は分からずじまいだったが「好きにしていいですよ」と言われ商品化に踏み切った。今後、看板をプリントしたクッキーやキーホルダーなどの展開も考えているという。

 山本社長は「缶バッジをきっかけに岩美町を知ってもらい、実際に訪れて温泉や海、食事を楽しんでほしい」と呼びかける。缶バッジはサンテックのオンラインショップなどで販売しており全6種類のセットは1100円。ほかにも、岩美町の青い海をイメージした青いカレー「岩美ブルーカレー」(650円)などインパクトがある商品も販売している。【目野創】

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