ロシアの「日本に勝利の日」改称 官房長官「反露感情あおる」と懸念

　松野博一官房長官は26日の記者会見で、ロシアのプーチン大統領が同国で「第二次大戦終結の日」とされてきた9月3日を「軍国主義日本への勝利と第二次大戦終結の日」に名称変更する法案に署名したことについて、「ロシア国民の反日感情をあおるのみならず、日本国民の反露感情をあおることにもつながりかねない」と懸念を示した。

　また、6月23日に外交ルートを通じてロシア側に「国民の間に無用な感情の対立をことさらに作り出すことがないよう適切に対応するよう求めた」と明らかにした。

　ウクライナ侵攻に伴い日本が対露制裁を科したことへの対抗措置の一つとして、2022年6月にプーチン政権与党議員らが法案を提出し、今月20日に下院、21日に上院を通過。プーチン氏が24日に署名した。

　松野氏は「日本としてはロシアによるウクライナ侵略を一日も早くやめさせるため、厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を継続していく」と述べた。【古川宗】