北海道八雲町の国道5号で乗客15人を乗せた高速バスとトラックが正面衝突し、5人が死亡した事故で、道警は19日、5人の身元を発表した。道警は付近を走行していた車のドライブレコーダーの映像から、トラックが対向車線にはみ出してバスに衝突したとみて、自動車運転処罰法違反（過失致死傷）の疑いで調べている。
亡くなったのは道内在住の5人で、バスの乗客の地方公務員、若崎友哉さん（33）＝函館市▽パート従業員、高清水忍さん（57）＝鹿部町▽職業不詳、高橋裕美さん（55）＝札幌市清田区＝と、トラックを運転していた会社員、梶谷誠さん（65）＝森町▽バスを運転していた会社員、興膳孝幸さん（64）＝札幌市清田区。20～70代のバスの乗客11人は軽傷で、80代女性が首を痛めて重傷とみられる。
トラックを運転していた梶谷さんが勤務する養豚会社「日本クリーンファーム」道南事業所の笹谷諭貴規（ゆきのり）事業所長は19日、報道陣の取材に応じ、「弊社のトラックがバスと衝突し、大変なご迷惑をおかけしました。申し訳ございません。亡くなった方、入院治療中の方に誠心誠意を持って対応します」と謝罪した。
梶谷さんは事故が起きた18日、トラックに1人で乗車し、北海道七飯町の農場から八雲町の食肉処理場に豚を運ぶ途中だった。出荷の運搬担当だったという。笹谷事業所長は梶谷さんについて「真面目で、特に問題はなかった。持病があったとは聞いていない」と話した。事故当時、トラックは1頭120～130キロの豚を30頭運搬していたが、笹谷事業所長によると「頭数は通常だった」という。【金将来、三沢邦彦】
