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「繊細さん」を励ましたい 漫画家が自身の経験から生きるコツ提案


 「気にしすぎな人クラブへようこそ」――。大阪市から滋賀県彦根市に移り住んだ漫画作家、吉本ユータヌキさん(36)がそんなタイトルの本を出版した。副題は「僕の心を軽くしてくれた40の考え方」。周囲に気を使いすぎる性格の吉本さんが、同様の「繊細さん」たちを励まそうと、漫画入りで生きるコツを提案する。

 吉本さんは大阪市東淀川区出身。3人きょうだいの一番上で、亡父から大声でしかられることが多かった。その影響か周囲の顔色をうかがうようになり、人付き合いが苦手になったという。人生の目標も持てなかったが、高校時代にロック音楽に目覚め、20代半ばまでベーシストとしてバンドで活動。しかしボーカリストが蒸発してやむなく会社員に。今度は小学校時代に得意だった漫画を思い出し、ブログで掲載を始めた。

 その後長浜市出身の女性と結婚。彦根市内に子育てしやすそうな一戸建てを見つけ、2019年に移住した。漫画作家としてデビューも果たしたが、間もなく新型コロナウイルス禍に見舞われた。商品PRの仕事が激減した上、自分の才能にも疑問を感じてスランプに陥ったという。そんな時、所属事務所から公認心理師の中山陽平さんを紹介された。2人で対話を重ねるうち、吉本さんの不器用な性格を逆手にとって、本を作ることになった。

 内容は対人関係など40事例で吉本さんが体験を語り、中山さん答える形になっている。「楽しそうな輪に自分だけ入れなくて……イジイジ」という悩みに中山さんは「やってみるしかない」「突然入ってごめんとひと言添える」とアドバイス。「自分の考えや仕事を否定されて……クヨクヨ」した場合は、「常にいい仕事なんてできない」「改善の余地があると捉える」と発想の転換を提案する。

 さらに「好きなことややりたいことがわからず……グルグル」という半生を振り返るようなテーマも。ここでは「いろいろ経験して、比べて、最高を選び取っていく」「偶然の出来事にベストを尽くすことで、よりよいキャリアが形成されていく」と総括的な回答が示されている。

 吉本さんは「損な性格で失敗続きの人生だったが、本にまとめて、冷静に振り返ることができた。今後も彦根で1女2男を育てながら、自分のやりたい仕事を追求していきたい」と気持ちを新たにしている。

 四六判、190ページ。1540円。発行元はSDP。投稿サイト「note」の自身のページ(https://note.com/horahareta13/all)でも迷い続けた青春期や、子育てにまつわる作品を発表している。【伊藤信司】

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