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約10分で4人殺害か「悪口言われ」「撃たれると思い」 長野立てこもり


 長野県中野市で4人が死亡した立てこもり事件で、警察官1人に対する殺人容疑で逮捕された農業、青木政憲容疑者(31)=同市江部=が、10分あまりの間に4人を相次いで刃物や猟銃で襲撃したとみられることが県警捜査本部などへの取材で判明した。捜査関係者によると、容疑者は最初に襲撃したとみられる被害女性2人について「悪口を言われたと思った」と供述しているという。捜査本部は、容疑者が突発的に強い殺意を抱いて襲撃した可能性があるとみて、4人の遺体を司法解剖して死因の特定を急ぐ。

 捜査本部は27日午後、容疑者を長野地検に送検する。

 事件は25日午後4時25分ごろ発生。捜査本部によると、亡くなった4人のうち、容疑者宅から約150メートル離れた場所で倒れていた村上幸枝さん(66)と、容疑者宅の近くで26日未明に発見された竹内靖子さん(70)には、いずれも刺し傷があった。刃物で襲われたとみられる。

 知人らによると、2人は散歩仲間で、毎日午後4時過ぎごろに一緒に周辺を歩いていたという。捜査本部は、こうした情報や遺体の状況、「男がサバイバルナイフで女性を刺した」という最初の目撃者の通報内容などから、2人は続けざまに刃物で襲われたとみて調べている。

 また25日午後4時37分ごろ、通報を受けて現場に到着した県警中野署の玉井良樹警部補(46)と池内卓夫巡査部長(61)が銃で撃たれ、間もなく死亡が確認された。目撃した近隣住民らによると、2人はパトカーの窓ガラス越しにいきなり銃撃されたとみられる。

 捜査関係者によると、容疑者は警察官2人については「撃たれると思って撃った」などと供述しているという。捜査本部は動機や経緯を慎重に捜査している。【鈴木英世、白川徹】

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