戦国大名里見氏を題材にした小説「南総里見八犬伝」に登場するキャラクターの人気投票「南総里見八犬伝総選挙」が、里見氏の居城跡「館山城」（千葉県館山市館山）で行われている。
八犬伝は戯作（げさく）者の曲亭馬琴が江戸後期に28年かけて著した長編。室町時代後期を舞台に、いずれも名前のどこかに「犬」の文字がある八犬士が里見家へ結集するまでが描かれている。全98巻の大作だけに登場人物が多く、個性的なキャラクターが伝奇的ストーリーに彩りを添えている。
城山公園山頂にある館山城は、1982年の建設以来、八犬伝関連の資料を常設展示していることから「八犬伝博物館」とも呼ばれている。人気投票は八犬伝ファンを増やし、観光活性化につなげようと同公園管理事務所が企画した。
投票の対象は八犬伝に登場する49人と1匹。犬塚信乃戍孝（いぬづかしのもりたか）ら八犬士はもちろん、物語の発端にからむ犬の「八房（やつふさ）」や怨霊となって里見家にたたる「玉梓（たまずさ）」も含まれている。エントリーキャラクターは同城2階の特設展示場に掲示してあり、好きな3キャラクターを選んで10月9日までに城内の投票箱かウェブで投票する。城内投票には入場料（大人400円、高校生以下200円）が必要。
結果は同月28日に発表予定で、投票者には抽選でプレゼントが贈られる。問い合わせは城山公園管理事務所（0470・22・8854）。【岩崎信道】
