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「大きな横揺れ、四つんばいに」にぎわう観光地に悲鳴 石川震度6強


 「ゴゴゴゴゴゴー」「またか」。ゴールデンウイーク(GW)でにぎわう海辺の町を地鳴りと激しい揺れが襲った。2022年6月に震度6弱、同5強と相次ぐ地震に見舞われた石川県珠洲市で5日午後、最大震度6強を観測。1人が死亡、12人が負傷した。市中心部では民家がひしゃげ、周辺には屋根瓦やブロック塀が散乱、須須(すず)神社では石の鳥居が倒壊した。新型コロナウイルス禍を経て、にぎわいを取り戻しつつあった観光地では落胆の声も上がった。

 「灯台を見ようと海へ向かっていたら、突然、車が上下左右に跳ねる感じがした。命の危険を感じた」。数年ぶりの家族旅行で珠洲市を訪れていた名古屋市の会社員、矢野彩子さん(42)は揺れを感じ、恐怖の中、高台へと車を走らせたという。「道中では道路が隆起してヒビが入っていたり、道の斜面が崩れていたりして、本当に怖かった。高台には20人くらいが避難していて、眼下に屋根瓦の崩れた家が見えた」

 「ゴーッという音がして、激しく揺れた」。珠洲市の道の駅「狼煙(のろし)」では、屋根の棟瓦が7割ほど崩れ落ち、駐車場のアスファルトには大きな亀裂が走った。従業員の坂辰重さん(70)は「店の棚からは酒瓶などの商品が落下した。片付けなどもあり、明日以降も店を休まざるを得ない。コロナも一段落し、GWでせっかくの書き入れ時だったのに残念だ」と落胆を隠さない。

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが8日に5類に引き下げられるのを前に、能登半島には連休を楽しもうと多くの家族連れが訪れていた。

 海辺に立つ珠洲ビーチホテル(同市蛸島町)の男性従業員は「揺れは一気に大きくなった。1階のフロントロビーの窓ガラスが割れ、近くには宿泊客がいてヒヤッとした。各部屋を確認して回っているが、今のところお客さんにけがはなさそうだ」とひとまずホッとした様子。しかし、満室だった30室のうち約半数が地震後、キャンセルになったという。民宿「山中荘」(同市飯田町)の女性スタッフは「数組の予約が入っていたが、客室の壁が落ちたり、テレビが倒れたりしたため、急きょ宿泊を断った。玄関先まで来られたお客さんもいて心苦しかったが、安全のためには仕方がない」と語った。

 石川県七尾市の「のとじま水族館」では地震発生時、目玉のイルカショーの最中で、館内には約1000人の客がいたという。金谷勉副園長は「館内には緊急地震速報が鳴り響き、一時は来館者全員を館外に避難誘導したが大きな混乱はなかった」と話した。この日の来館者は約8000人を数え、コロナ前と同水準に戻っていたという。

 周辺の飲食店にも被害が出た。「地鳴りが起き、揺れは30秒ぐらい続いた。徐々に強くなり、最後は立っていられないほどだった」。珠洲市野々江町でうどん店を経営する尾間谷一彦さん(62)は、発生当時の様子を振り返った。店では皿が割れるなどしたが、客や従業員にけがはなかったという。

 同市の見附島では22年の地震で土砂が崩落する被害があった。近くの飲食店「見附茶屋」の女性従業員は「地震の後、島の周囲に濃い茶色の砂ぼこりが舞っていた。去年より規模が大きかったように見えた。観光客も多くとても心配だ」と話した。島の近くに妻とサイクリングに訪れていた埼玉県飯能市の男性会社員(60)は「今まで経験したことがない大きな横揺れで、地面に四つんばいになった。津波が来る可能性もあったと思うと怖かった」と話した。【高木香奈、菅沼舞、二村祐士朗、東久保逸夫、高井瞳】

震度6強以上の最近の主な地震

2011年3月11日 東日本大震災発生。宮城県で震度7

     3月12日 長野県栄村で震度6強

     3月15日 静岡県富士宮市で震度6強

     4月7日 仙台市、宮城県栗原市で震度6強

2016年4月 熊本地震発生。14日、16日に熊本県益城町などで震度7

2018年9月6日 北海道胆振東部地震発生。厚真町で震度7

2019年6月18日 新潟県村上市で震度6強

2021年2月13日 福島、宮城両県で震度6強

2022年3月16日 宮城、福島両県で震度6強

2023年5月5日 石川県珠洲市で震度6強

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