沖縄県・宮古島周辺で陸上自衛隊のヘリコプターが消息を絶った事故で、海底に沈んでいた機体の一部が2日、引き揚げられた。網に包まれ、民間作業船の甲板上に引き揚げられた機体は激しく損傷し、原形をとどめていなかった。
現場海域では2日朝から、陸自が委託した民間作業船2隻が作業を再開。午前8時18分ごろに高性能カメラやロボットアームを備えた遠隔操作型無人潜水機(ROV)を海中に投入した。午前11時45分ごろ、クレーンでつり下げられた機体の一部が海面上に姿を現し、周囲をブルーシートで目張りされた甲板上に引き揚げられた。船上では多くの作業員が様子を見守り、上空に報道ヘリなどが飛び交った。
今後、陸自はフライトレコーダー(飛行記録装置)の有無を確認するとともに、機体の損傷状況を調べ、事故原因の解明を目指す。
ヘリには陸自第8師団の坂本雄一前師団長ら10人が搭乗。4月6日午後、宮古島周辺の洋上でレーダーから機影が消えた。【喜屋武真之介】