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ごみの中から見つかった1000万円、札幌市所有に 残るモヤモヤ


 札幌市北区の資源ごみ回収施設で「現金1000万円」が見つかり、北海道警札幌北署が拾得物の届け出を受理してから4月30日で3カ月が経過した。署は高額拾得物として持ち主を捜したが、特定に至らず、1日に民法の規定で拾い主のごみ処理業者に業務委託する札幌市へ所有権が移った。市は「使い方を検討する」という。一件落着……だろうか。モヤモヤする。「なぜごみ回収施設に現金が」という謎が残されたままだからだ。【金将来】

 1000万円が見つかったのは、1月30日だった。

 「西区まで車で買い物に行って駐車場から徒歩で移動中、新聞紙に包んだ1000万円を落とした」

 「家のクローゼットに現金1000万円をしまっていたが見当たらない。捨ててしまったのかも」

 署によると、4月30日までに「自分のものでは」などという相談が16件も寄せられた。うち12件で遺失届が出されたが、いずれも証拠が足りず、落とし主として認められなかった。

 ごみ回収施設で高額の現金が見つかるのは不思議だが、実は珍しいとまで言えない。

 2017年に群馬県沼田市の廃棄物収集運搬会社の敷地で、がれきの中から現金4251万円が見つかったこともあった。このときは県内の故人の男性が持ち主と判明し、無事に遺族に返還された。当時の報道によると、現金は男性の死亡後に取り壊された自宅のがれきと一緒に誤って廃棄されたのだという。

 遺品整理士で特殊清掃・家財整理会社「リライブル」代表の鈴木健郁さん(46)は札幌市の一件について「タンス預金やへそくりをした高齢者が他界した後、親族が気付かずに捨ててしまった可能性がある」と分析する。

 鈴木さんによると、遺品整理中に部屋から現金が見つかるのは決して珍しくない。リライブルが遺品整理中に発見した現金の最高額は約500万円。1年ほど前、札幌市の分譲マンションの一室で見つけたという。

 鈴木さんは「経験として、孤独死された高齢者の部屋で見つかることが多い。タンスのようにありきたりな場所だけでなく、枕の中やスピーカーの中から出てきたこともある。遺族は当然、そんなところに隠されていると思わないので、気付かず業者に任せて捨ててしまうことが大半だ」と語る。

 日本銀行が3月17日に発表した2022年10~12月の資金循環統計(速報)によると、昨年12月末時点で個人(家計部門)が保有する現金・預金は約1116兆円。うち現金、つまり「タンス預金」は109兆円に上った。鈴木さんは「遺品を整理する際は業者に依頼する前に、できるだけ自分の目で家の中を確認することをお薦めします」と話した。

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