starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

埼玉のイチゴ「あまりん」が最高金賞 社長「農業はまだまだ伸びる」


 2月にあった日本野菜ソムリエ協会主催の品評会「第1回全国いちご選手権」で、埼玉県春日部市の観光イチゴ園「ヒロファーム」が育てた県のオリジナル品種「あまりん」が、トップとなる最高金賞を受賞した。全国からエントリーされた63品の中からの受賞で、同時に出品した別の品種でも上位入賞を果たした。「一歩先を見て挑戦し続けたい」と話す社長の中村知由さん(40)に話を聞いた。【萩原佳孝】

 ――最高金賞を受賞した感想を。

 ◆お客様に満足していただける、おいしいイチゴを作りたいと心がけてきたので、目に見える形で認めてもらえたことはうれしいです。今まで購入してくれていた方にも「誇らしい」と喜んでいただけました。

 最高金賞を取れるとは思っていませんでしたが、ポテンシャルの高さから「あまりんは、きっと評価される」と予想はしていました。埼玉のイチゴのブランド力が認められたことは素晴らしいと感じています。

 ――あまりんはどんなイチゴですか。

 ◆とても甘いのに酸味もほどよくあり、味のバランスがいい。色や形も美しく、本当にイチゴらしいイチゴです。イチゴは品種によって好みが分かれるのですが、あまりんは皆さんに好まれます。

 4年ほど前から生産を始めました。収穫量が多くないため、観光園では提供せず、直売やネットで販売しています。評価されたことで、手に入りにくくなってしまっているのは悩ましいところです。

 ――イチゴ生産を始めたきっかけは?

 ◆家業の農業資材販売会社でハウスなどを販売してきましたが、十数年前から、イチゴ農家との取引が増え、栽培技術などを指導するコンサルティング的な業務も行うようになりました。新しい技術やノウハウを紹介するには実証モデルが必要と考え、2017年に「ヒロファーム」を設立しました。農家や企業から研修生も受け入れ、20人ほどで運営にあたっています。

 現在、6棟のハウスで約30種のイチゴを生産しています。1月から6月末まで、イチゴ狩りのお客様に「紅ほっぺ」や本園のオリジナル品種「ハッピー」などを提供し、直販なども行っています。同時に、栽培技術の研究や品種改良などにも取り組んでいます。

 ――おいしいイチゴを作るためにどんな工夫を行っていますか。

 ◆イチゴの生育には光合成が最も大切です。最も適した環境を作るため、温度や湿度、日射量、二酸化炭素の量などをコンピューターで管理し、データを取りながら栽培と研究を続けています。

 栽培技術は、科学的に説明可能なものでなければいけないと考えます。私自身、専門的に農業を学んできたわけではないので、どうすればおいしいイチゴを安定的に生産できるか、日々模索し、試行錯誤を繰り返しながら取り組んでいます。

 ――今後の抱負を聞かせてください。

 ◆あまりんの人気上昇を見越し、昨年ストックしておいた分で「あまりんジャム」の生産を始めました。栽培技術だけでなく、新たな加工品の開発や販売方法の工夫など、やれることはたくさんあります。だからやりがいがあるし、面白い。

 気候的に恵まれている日本で、農業はまだまだ伸びることができると考えています。常に一歩先を見ながら、挑戦を続けていきたいと思います。

中村知由(なかむら・ともよし)さん

 1983年生まれ。農業資材メーカーで4年間勤務したあと、祖父が設立した農業資材販売「中村商事」に入社。2021年に父から引き継ぎ、3代目社長に。ヒロファーム社長も兼任する。ヒロファーム(春日部市武里中野548の1、電話080・8153・1115)は6月末まで営業。

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.