刑務官ら13人を特別公務員暴行陵虐容疑などで書類送検 名古屋

　名古屋刑務所（愛知県みよし市）の刑務官22人が受刑者3人に暴力を振るっていた問題で、同刑務所は28日、刑務官13人を特別公務員暴行陵虐と同致傷の疑いで書類送検した。顔を殴ったり、アルコールスプレーを顔に噴射したりするなどの暴行を繰り返していたという。法務省は、刑務官とその上司らを懲戒処分などにする方針。

　法務省の調査では、22人の刑務官は2021年11月から22年8月にかけ、40～60代の男性受刑者3人に計421件の不適切な処遇を繰り返していた。このうち暴力を伴う行為が約100件あった。悪質性の高い行為に及んだ刑務官を立件の対象と判断し、捜査していた。刑務官らは「受刑者が指示に従わず、大声を出したりしたので腹が立った」と説明したという。

　22年12月、斎藤健法相が刑務官による暴行を公表。法務省は第三者委員会を設置し、6月に再発防止策などをとりまとめる予定だ。

　名古屋刑務所では01年、消防用ホースで尻に放水された受刑者が死亡。02年にも革手錠で腹部を締め付けられた受刑者2人が死傷する事件が起きた。一連の事件で刑務官8人が起訴され、うち7人の有罪判決が確定した。【藤顕一郎】