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衝突続くスーダン「暴力の次元が違う」 市民らの安否気遣う日本人


 正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の衝突が続くアフリカ北東部スーダンから、多くの在留邦人が自衛隊などによる支援で国外へ退避した。しかし現地ではなお衝突が続いており、在留邦人や現地の人たちと交流のある日本人からは、残る邦人の無事とともに「一刻も早くスーダンの人たちに平穏を」と願う声が聞かれた。

 「退避することができてよかった」。大阪府吹田市の国連関係機関職員、澄川みずきさん(29)は知人がジブチに退避したことをSNS(ネット交流サービス)で知り、胸をなで下ろした。澄川さんは2019年から約3年半、スーダンで開発支援などに携わった。22年に帰国後もスーダンで働く国連職員ら向けの研修プログラムの作成にあたる。

 澄川さんのスーダン赴任中にも民主化を求めるデモ隊と軍の衝突はあったが、「今回の軍事衝突は当時と暴力の次元が違う。武器を持たない一般市民や外国人にも脅威が及んでいる」と危機感を抱く。「外国人はすぐに退避できてもスーダンの一般市民には難しい。これ以上被害が拡大しないでほしい」と願った。

 22年9月から首都ハルツームの近隣都市に滞在して調査研究をしていた京都大大学院生の金森謙輔さん(41)はビザ更新のため、3月から一時帰国していた。そのさなか、軍事衝突が起きた。

 4月半ばに在留邦人の友人からSNSで「衝突が起きている」との知らせが届いた。無事を祈る中、「近いうちに退避できる」との連絡が入り、25日に在留邦人退避のニュースを見て安堵(あんど)した。

 スーダン滞在中に暮らしていた民家も銃撃の被害を受け、家人のスーダン人は国内で避難生活を送っている。金森さんは「自分の知るスーダンの一般市民は、暴力に訴えることはなかった。民意のない衝突で街が破壊されるのは悲しい」と話した。

 長野県の日本語教師、柳沢早紀さんは軍事衝突が起きる直前の4月13日までハルツームにいた。アフリカ各国を旅行している柳沢さんは人道支援などの国際協力NGOで働く日本人の友人に会うため6日間、スーダンに滞在した。当時はイスラム教のラマダン(断食月)で、「現地の人たちはナイル川沿いで涼むなど普通の生活を送り、緊迫感は全くなかった」と振り返る。

 日本語を学ぶスーダン人とも交流した柳沢さんが次の目的地であるアフリカ中部ルワンダに到着した直後、スーダンの別の都市にいた友人から軍事衝突が起きたとの連絡が入った。

 柳沢さんが友人らに見送られてルワンダに向けて飛び立ったハルツームの国際空港や周辺の民家が被害に遭ったと後から知り、「お世話になった人たちは大丈夫だろうか」と気をもむ。

 「友人には無事で過ごしてほしい。スーダンの一般市民にも早く平和な暮らしが訪れてくれたら」。柳沢さんは祈るように話した。【島袋太輔】

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