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熊本の2人死亡事故 息子亡くした母親、不起訴不服で検審に申し立て


 熊本県天草市で2021年2月、軽ワゴン車にはねられるなどして平井直哉さん(当時21歳)ら2人が死亡した事故を巡り、運転していた50代男性を不起訴とした熊本地検天草支部の処分を不服として、直哉さんの母沙紀さん(46)=福岡市=が18日、熊本検察審査会に審査を申し立てた。

 直哉さんは21年2月11日午後8時15分ごろ、青信号で横断歩道を歩行中、右折してきた軽乗用車にはねられた。運転していた男性(当時60歳)が直哉さんを介抱しようとしたところ、2人は直進してきた軽ワゴン車にはねられ死亡した。軽ワゴン車を運転していた男性は自動車運転処罰法違反で逮捕、書類送検されたが、22年2月に不起訴となった。

 申し立ての際、沙紀さんは市民団体「遺族とともに司法と行政を見直す結びの会」のメンバーらと集めた、署名7149筆も一緒に提出した。同会は、沙紀さんが事故直後からSNS(ネット交流サービス)で自身と同様に交通事故で身内を亡くした人を探して輪を広げていく中、6都県の遺族らと結成していた。

 この日の朝、沙紀さんは自宅にある直哉さんの骨つぼに手を置き「(申し立てに)行ってくるね」と伝えたという。報道陣の取材に「直哉が亡くなってから2年以上がたち、やっとスタートラインに立つ準備ができた。きちんと審査をしてもらいたい」と願った。

 代理人を務める崎山有紀子弁護士(49)は「起訴相当という判断が出ることを期待する」と話した。【中村園子】

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