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陸自ヘリ不明1週間 搭乗の幹部が所属する「第8師団」とは


 沖縄県の宮古島周辺で陸上自衛隊のヘリコプターが消息を絶ってから13日で1週間となる。ヘリに乗っていた10人のうち、第8師団トップの坂本雄一師団長(55)ら8人が幹部クラスの階級だった。第8師団は九州南部を管轄するが、有事の際には沖縄などに駆けつける「最も重要な師団」(防衛省幹部)とされる。不明になった隊員の多さだけでなく、そうした部隊の幹部が含まれていたことも防衛省に衝撃を与えている。

 自衛隊や海上保安庁は航空機や艦艇で捜索を続けているが、12日夕時点で10人の安否に関する情報は入っていない。

 第8師団は、陸自北熊本駐屯地(熊本市)に司令部を置く約5000人の部隊。九州3県(熊本、宮崎、鹿児島)の防衛や災害派遣の任務に当たる。全国に九つある師団のうち最も南に司令部を置き、2018年に有事に即応する「機動師団」に改編された。

 政府は近年、東シナ海などで海洋進出を強める中国を念頭に、南西諸島の防衛力を強化してきた。南西諸島は、大隅諸島(鹿児島)から与那国島(沖縄)までの約1200キロに及ぶ。かつては沖縄本島にしかなかった陸自駐屯地は16年以降に離島にも置かれるようになり、3月に石垣島(沖縄)にも開設された。

 こうした状況の中で、第8師団は平時は3県を担当するが、有事には南西諸島などの防衛に当たる。沖縄本島の那覇駐屯地にある第15旅団は原則として本島周辺で対応する想定で、離島は第8師団の隊員が主力となる可能性があるという。このため第8師団長は「離島という場所で部隊を運用するため、判断力に優れた人でないと務まらない」(防衛省幹部)とされる。

 防衛省関係者によると、ヘリが消息を絶った宮古島周辺は南西諸島の要衝の一つ。第8師団幹部が上空から視察することは通例で、坂本師団長らが事故機に乗っていたのは、島の地形などを確認するためだった。爆撃機の離着陸が可能な約3000メートルの滑走路を持つ下地島空港も視察する計画だったという。

 ヘリには坂本師団長や師団幕僚長ら師団司令部から5人、操縦士と整備員2人ずつ、宮古島の地形に詳しい宮古警備隊長が案内役として乗っていた。防衛省幹部は「統率力や語学力にたけた幹部、ヘリ運航に関わる操縦士や整備員。みんな組織にとってかけがえのない存在だ」と話した。【内橋寿明、木下翔太郎】

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