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投票終了と同時に「落選確実」 民主王国の底抜けた北海道知事選


 北海道知事選の投票が締め切られた9日午後8時、報道各社が現職の鈴木直道氏の再選確実を一斉に伝えると、元衆院議員で新人の池田真紀氏(50)の陣営関係者は「民主王国の底が抜けた」と絶句した。

 鈴木氏は地元紙の世論調査などで高い支持率を維持しており、告示前から「現職が負けることは考えられない」という関係者が多かった。ただ、立憲民主党道連はかつて「民主王国」だった北海道で「知事選の不戦敗はあり得ない」と独自候補にこだわり、国民民主党道連や連合北海道などと候補選定を進めた。

 道内にゆかりのある中央官僚などにも打診したがまとまらず、2016年衆院補選と17年衆院選の道5区で野党統一候補となり、「野党共闘のシンボル」と呼ばれた池田氏に白羽の矢を立てた。立憲道連の逢坂誠二代表は1月中旬に出馬を要請。池田氏は2月4日に出馬表明した。

 一方、選挙期間に入ると池田氏陣営からは不満が漏れた。関係者は「告示後に党幹部が応援に入ることもなく、最後の訴えなども逢坂氏は地元の函館に入った」とした上で、「ビラの配布も前回選より少なく、道議との2連ポスター掲示などの連携も不十分。党から『勝とう』という意識を感じない」と嘆いた。

 蓋(ふた)を開けてみると、鈴木氏の得票は約169万票で、池田氏の得票(約48万票)は鈴木氏の3分の1にも満たなかった。投票率が過去最低で、当時現職だった横路孝弘氏が1987年と91年の知事選で獲得した200万台には届かなかったものの、鈴木氏の有効投票数に占める得票率は75%を超え、歴代の道知事選で最高だった。

 野党間の連携が不十分だったことも大敗の一因となった。前回選に立候補した元衆院議員の石川知裕氏は立憲、国民民主、共産、社民、自由の各党から推薦を受けたが、池田氏は推薦は立憲のみで、共産、国民民主、社民は道組織レベルの支持にとどまった。

 毎日新聞と北海道放送(HBC)が知事選の投票を済ませた有権者を対象にインターネットで実施した投票行動調査によると、池田氏に投票したのは立憲、共産支持層の6~7割、国民民主支持層の2割にとどまった。

 逢坂氏は9日夜、「野党が一つにまとまってやれた」と記者団に語ったが、陣営関係者は「道組織レベルの支持は事実上の自主投票。国民民主と共産は相いれない関係にもかかわらず、調整ができないまま形だけ一緒になったので、両方が機能しなかった」と語る。

 立憲道連幹部は「(鈴木氏を支援した)自公サイドの力が強まることを懸念する」と話すが、次の国政選挙や知事選に向けた具体的な戦略は描けていない。連合北海道の幹部は「昨年の参院選もそうだったが、立憲道連のリーダーシップが足りない。選挙への取り組みも野党共闘の調整も意識を変えて取り組むべきだ」と厳しい表情で語った。【山田豊】

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