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「まるで出来レース」13選挙区で無投票の新潟、有権者は 統一地方選


 統一地方選の新潟県議選(9日投開票)は27選挙区(定数53)のうち13選挙区が無投票となり、21人の当選が決まった。現行の区割りとなった2011年以降では最多だ。こうした現状を候補者や有権者はどう受け止めているのか。無投票の現場を歩いた。

「終わっちゃった?」

 柏崎市・刈羽郡選挙区(定数2)は20年ぶり、現区割りになってからは初の無投票に。有権者7万1000人余が投票機会を逸した。

 「え、選挙終わっちゃったの?」。告示2日後の日曜日。柏崎市の公園でお茶を飲んでいた60代主婦は驚いた様子だった。そして「まるで出来レース。有権者が選挙権を行使せずに議員が決まるなんて。私だって意思表示したかったのに」と残念がった。

 同選挙区は告示日の3月31日、無所属新人の笠原晴彦氏(53)と、自民党現職の与口善之氏(64)の無投票当選が決定。東京電力柏崎刈羽原発を巡り政府が今夏以降の再稼働方針を表明する中、そのお膝元の県議選はあっけなく終わった。

 4年前の前回選は違った。再稼働を巡り、推進を掲げる当時新人の与口氏ら保守系候補2人と、反対を唱える野党統一候補が三つどもえの戦いを展開。結果的に保守分裂となり、再稼働の推進派と慎重派が議席を分け合う形に落ち着いた。

 今回は論戦を経ずに双方が1議席ずつを獲得。「今の自民党は気概がない」。柏崎市議はこう言い切る。21年衆院選で自民党は旧2区の公認争いが勃発し事実上の和解が成立した経緯があり、再び保守層を二分できない地域事情を解説した。

 花見をしていた市内の女性(73)からは「雇用の場を確保する再稼働には賛成。ただし安全が確保されれば。反対派は1議席を取れて運がよかったのでは」といった声も聞かれた。

 ただ、影響は同選挙区にとどまらない。

 「うちは原発から30キロ圏(UPZ)。ひとごとじゃない。選挙区は違っても論戦を期待していた。地元の意思をはっきりさせてほしかった」。上越市で飲食店を営む男性(71)はこう話す。東電で働いていたという男性の妻(73)は、再稼働の要否を判断する局面に立ち会う可能性の高い新県議に向け「東電は(柏崎刈羽原発を)動かすはず。ただ建っているだけじゃ経済に貢献しないもの。監視を怠らないでほしい」と注文をつけた。

 同選挙区と隣接する上越市選挙区(定数5)と長岡市・三島郡選挙区(同6)では選挙戦が繰り広げられている。長岡市の磯田達伸市長は無投票について「議会制民主主義の根幹に関わる問題。選ぶプロセスがないと、各議員が住民の意思を本当に代表しているのか疑問だ」と語った。【内藤陽】

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