藤井聡太王将（20）に羽生善治九段（52）が挑戦する第72期ALSOK杯王将戦七番勝負第6局（毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催、佐賀県上峰町、起立工商DMO共催、ALSOK特別協賛、囲碁・将棋チャンネル、立飛ホールディングス、森永製菓協賛）は11日、上峰町の大幸園で始まり、午後6時、羽生九段が59手目を封じて1日目を終えた。持ち時間各8時間のうち消費時間は羽生九段3時間56分、藤井王将3時間31分。12日午前9時に再開する。
前局に勝利して3勝2敗とした藤井王将が一気に初防衛を決めるか、羽生九段が三度（みたび）タイに追いつくか。
第5局まで全て先手番が勝利している今期のシリーズ。本局は羽生九段の先手番で角換わり相早繰り銀の戦いになった。羽生九段の4六角（39手目）まで、羽生九段が永瀬拓矢王座を相手に後手番で負けた昨年の将棋と同一局面が続いた。次の手で羽生九段は7三角と指していたが、藤井王将はわずか1分で6四角と手を変え、前例を離れた。
午前11時すぎ、羽生九段の7五歩に藤井王将の手が止まった。検討陣から「早くも中盤の勝負どころだ」と声が上がる。藤井王将は1時間12分の長考で同歩と取った。
45手目から昼食休憩後の戦い。角交換と銀交換の後、藤井王将は7四角と打った。わずかのミスも許されない難しい局面が続く。藤井王将が3三桂と跳ねたのを見て、羽生九段が手を封じた。解説の田村康介七段は「羽生九段の注文の戦型になったが、藤井王将が局面を落ち着かせ、攻勢を取り始めた」と話した。【新土居仁昌、丸山進】
