国連総長「女性や少女に安全なオンライン世界を」 国際女性デー

　国連が定めた国際女性デーの8日、米ニューヨークの国連本部で「ジェンダー平等に向けたデジタル技術の進展」をテーマにしたイベントが開かれた。グテレス事務総長は代読メッセージの中で「インターネットが多くの部分で、憎悪や虐待、嫌がらせの『増幅器』になりつつあり、その一番の標的は女性と少女だ」と述べ、「女性や少女にとって安全なオンライン世界」の実現を訴えた。

　グテレス氏は「世界で30億人がインターネットを利用できず、その大半は開発途上国の女性や少女だ」と指摘し、デジタル格差を埋めるよう訴えた。また、デジタル分野への女性の参画が遅れれば「デジタル製品やサービスにおいて、最初からジェンダー不平等が『コード』に組み込まれることになる」とも述べ、人工知能のような科学技術などの分野で活躍する女性を増やす方策が必要だと訴えた。

　一方、安全保障理事会では同日、アフガニスタン情勢をめぐる会合が開かれた。日本など理事国10カ国は国際女性デーに合わせて共同声明を発表した。声明は、教育や政治、労働などにおける女性と少女の権利を守るよう、イスラム主義組織タリバン暫定政権に改めて要求した。【ニューヨーク隅俊之】