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恋愛のちチャンピオンへ 夢に挑むボクサー妻とトレーナー夫


 フィリピン人の元世界王者に見初められ、その支えを受けて日本タイトルに初挑戦する女子プロボクサーがいる。エスペランサジム(兵庫県伊丹市)所属の日本女子ミニマム級1位、ロリト(旧姓・浜田)麻理菜選手(29)だ。SNSで知り合い、交際2カ月でスピード結婚した今、夫婦は大きな夢に突き進んでいる。

 ロリト選手は神戸市西区出身で、中学から大学までバスケットボール選手。大学卒業後は理学療法士として大阪府八尾市の病院に勤務し、23歳の時にダイエット目的で大阪市内のボクシングジムに通い始めた。「中途半端が嫌い」な性格のため、本格的に打ち合いたくなったが、そのジムはあくまでもフィットネス専門でスパーリング禁止。1年後に伊丹市の訪問看護ステーションに転職したのを機にエスペランサジムに入り、25歳だった2019年12月にプロデビューした。

 夫のレイ・ロリトさん(32)とのなれ初めは20年11月。ボクシング関係の写真を多数アップしていた自身のフェイスブックにレイさんからメッセージが届き、ボクシングを巡るやりとりの後、「あなたのトレーナーをしたい」と言われた。

 レイさんについて調べてみると驚いた。戦績40戦25勝(17KO)15敗のプロボクサーで、日本非公認のマイナー団体、国際ボクシング機構(IBO)ライトフライ級元王者。19年に来日して大成ジム(兵庫県三田市)に所属していた。「相手は元世界王者。(ボクシングを教わる)チャンスを逃してはいけない」と早速、会うことを承諾した。

 当時のレイさんの自宅最寄りのJR大阪環状線・新今宮駅で朝に待ち合わせ、近くのジムで練習。拳を保護するバンテージを丁寧に巻いてくれるレイさんの態度に、ロリト選手は「優しくて紳士的」と好感を抱いた。練習後、一緒に昼食を取って「また来週練習しよう」と別れたが、その夜に彼からスマートフォンの翻訳アプリを使った告白メッセージが届く。「今日はありがとう。あなたを愛してしまった」

 すぐに交際が始まり、21年1月に結婚。レイさんは「『トレーナーをしたい』と言えば、会ってくれると思った。最初から結婚するプランがあった」と明かす。日本語はまだ片言で、夫婦の会話には翻訳アプリも使っている。

 結婚後、レイさんはエスペランサジムのトレーナーになった。ロリト選手は「夫は基本にうるさく、『ガードを高く!』としつこく言ってくる。ガードを意識するようになった」。夕方5時まで訪問介護の仕事をし、兵庫県川西市の自宅で掃除や洗濯など家事を済ませ、夜7時半過ぎから練習というハードな日々だ。

 これまでの戦績は5勝1分け。エスペランサジムの橋本隆志会長(49)は「センスがあり、練習熱心で素直。バランスが良く、パンチ力もスピードもある」と高く評価する。

4月9日に日本王座決定戦

 日本女子ミニマム級王座決定戦は4月9日、大阪府豊中市のイベント会場「176BOX」であり、相手は同級5位の一村(いちむら)更紗(さらさ)選手(27)=ミツキジム。レイさんは「麻理菜は真面目に頑張っている。次の試合は勝てる。サポートする」と意欲満々。ロリト選手は「ジム初のベルトを持ち帰りたい。夫が元世界チャンピオンなので、私もそこに並びたい」。夫婦で目指す頂はまだまだ先にある。【来住哲司】

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