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売れ残りパン600個廃棄…「もったいない」専門店で格安販売


 系列店で前日に売れ残ったパンだけを販売する「ロス(廃棄)パン」の専門店が奈良市にある。食材の無駄な廃棄を減らそうと始めた取り組み。値下げされた商品が並び、すぐに売り切れるほどの人気を集めている。【林みづき】

 同市大安寺1にある「eco RICHE(エコリッシュ)」で、橋脇景子さん(34)とパン職人の夫寛文さん(38)が経営。2人は別のパン屋「ブランジェリーリッシュ」も同市や京都府木津川市で4店舗を展開しており、これらの店で前日に売れ残ったパンが翌日にエコリッシュで販売されている。

 寛文さんは「商品を一番おいしい状態で食べてもらいたい」という信念の持ち主。そのため、ブランジェリーリッシュでは1日に何度もパンを焼き、出来立てを提供する。ただ、悩みも抱えていた。天候に左右される客足などを考慮しながら作っても、多い日には4店で計約600個が売れ残ることがあった。

 焼き立ての味を提供することにこだわっているため、閉店間際に値下げをしたり、翌日に再び販売したりすることはせず、廃棄してきた。しかし、「さすがにこれだけの量を捨ててしまうのはもったいない」との思いが強まり、余ったパンだけを専門で売る別の店を作ることに。2021年11月、エコリッシュをオープンさせた。

 同店には、半額以下に値下げした総菜系や菓子系など数十種類のパンがそろう。日々パンの品ぞろえは変化するが、それも魅力の一つだ。新鮮な野菜を挟んだサンドイッチやクリームなどを使ったパンは、ブランジェリーリッシュから集めた直後に冷蔵庫で保管し、傷まないようにしている。

 焼いた翌日のパンは敬遠されるかと思いきや、口コミで評判が広がり、今では開店前から行列ができるほどになった。質の高いバターを使うなど食材を厳選した商品の味は好評で、10分ほどで売り切れる日もある。

 安く販売している分、ほとんど利益は出ない。だが、これまで廃棄せざるを得なかったパンは、一つ残らず売れるようになった。景子さんは「喜んでくれる人が多くて良かった。こだわりのパンを無駄にすることなく、少しでも多くの人に食べてもらえたらうれしい」と話している。

 エコリッシュは午前10時開店で、売り切れ次第終了。火曜定休。問い合わせは同店(0742・81・9162)。

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