ロシア当局は2日、ウクライナと国境を接する西部2州にウクライナの武装集団などが相次いで攻撃を仕掛け、少なくとも住民2人が死亡したと発表した。報告を受けたプーチン露大統領は、この日に予定していた国内視察を取りやめるなど、警戒を強めている模様だ。
ロシアの連邦保安庁によると、ウクライナの武装集団は西部ブリャンスク州の村に侵入して銃を乱射。ロシア側が鎮圧した。銃撃に巻き込まれた住民1人が死亡し、1人が負傷したという。地元メディアは、集団が40~50人の規模だったと報道。南西部クルスク州のスタロボイト知事も、ウクライナ側から銃撃を受け、国境地帯に住む男性1人が死亡したことを明かした。
いずれも詳細は不明だが、ロシア側の発表や報道が正しければ、ロシアがウクライナから国境地帯で相次いで攻撃を受けたことになる。ロシアが2022年2月にウクライナへの侵攻を始めて以来、ウクライナの武装集団がロシア領内に大挙して侵入したとの情報は初めてとみられる。【モスクワ大前仁】