元徴用工訴訟、原告女性が記者会見 「日本の謝罪を希望」

　日韓関係の最大の懸案となっている元徴用工訴訟をめぐり、原告の梁錦徳（ヤン・クムドク）さん（91）が16日、ソウル外信記者クラブで記者会見した。保守系の尹錫悦（ユン・ソンニョル）政権が1月、韓国最高裁（大法院）が被告の日本企業に命じた元徴用工らへの賠償金支払いを韓国の財団が肩代わりする案を示したことに否定的な見解を示し、「私が死ぬまでに日本が謝罪することを希望している」と述べた。

　梁さんは日本の植民地時代の1944～45年に女子勤労挺身（ていしん）隊員として三菱重工業が運営していた名古屋市の飛行機工場に動員された。

　一方、進歩系の最大野党「共に民主党」や無所属などの国会議員51人は16日、尹政権の解決案に反対し、日本の謝罪と被告企業による原告への直接的な賠償を求める会を発足させた。解決案の撤回を求める決議案の国会提出を準備しているという。尹政権が徴用工問題の解決に向け、日本との調整を加速させている状況をけん制する狙いがあるとみられる。【ソウル坂口裕彦】