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藤井聡太王将、大長考のわけは 佐々木大地七段が解説 王将戦第4局


 東京都立川市で9日始まった第72期ALSOK杯王将戦七番勝負第4局(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)は、挑戦者、羽生善治九段(52)の王手(▲5二桂成)に対し、藤井聡太王将(20)が2時間24分の大長考の末、そのまま66手目を封じて1日目の戦いが終わった。検討陣の封じ手予想は△5二同銀で一致しているが、解説の佐々木大地七段(27)は「その後の変化がかなり複雑。藤井王将といえども読み進めないと分からない局面だと思う」と大長考の中身を推察し、2日目の再開後は、藤井王将の猛攻を羽生九段が受ける展開を予測した。

「強い意志」感じさせる▲4五桂

 角換わりの戦いになった本局。50手目、藤井王将が△6五歩と突いたのに対し、羽生九段が▲4五桂と桂馬を跳ねたのが決断の一手だった。唯一の前例は▲6五同歩△同桂▲8八銀と進んだ。「後手の6五の桂馬が不安定になるので、先手がとがめきれるかの勝負。本譜は真正面からぶつかった激しい手だった。羽生九段のかなり強い意志を感じました」と佐々木七段。羽生九段は▲4五桂に18分しか使っておらず、事前に立てた作戦だった可能性が強い。

 57手目、羽生九段の▲6三歩を見て藤井王将が最初の長考に沈み、そのまま昼食休憩に入った。58手目、△7二金とかわした手は44分の考慮時間が刻まれたが、その間に1時間の休憩時間が挟まれている。「自玉から離れるが、バランスを取った手」(佐々木七段)だ。

検討陣驚かせた△6一銀

 61手目、羽生九段の▲7三角に対する△6一銀(考慮時間57分)も検討陣を驚かせた。自然なのは△6一歩だが、▲2四歩△同歩▲同飛が思いのほかうるさい。△2三歩と受けさせ、▲3四飛の時に、歩がないので△3三歩と打てない。この後、先手からは▲5一角成△同玉▲3二飛成(金取り)で必至がかかる。わざわざ銀を使うのは過剰防衛にも映るが、佐々木七段は「先述の変化手順で△2三歩▲3四飛のときに△3三歩と打つことができ、それ以上の攻めがないことを藤井王将は見切っている」と解説する。

 1日目の消費時間は羽生九段の2時間7分に対し、藤井王将は5時間15分と、大差がついた。指了図からは△5二同銀▲6二歩成△同金▲同角成の進行が予想される。佐々木七段は「藤井王将はそこから△8六歩や△7五歩で攻めかかると思うが、後手の猛攻を先手が▲6四金からクリンチして一息つけるかどうか。封じ手から数手はバタバタ進むが、その後は一手一手慎重にならざるを得ない。時間の差もついているので、羽生九段は丁寧に考えていくと思います」と語った。【新土居仁昌、丸山進】

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