芥川賞に井戸川射子さん、佐藤厚志さん＝直木賞は小川哲さん、千早茜さん

　第１６８回芥川・直木賞（日本文学振興会主催）の選考会が１９日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞は井戸川射子さん（３５）の「この世の喜びよ」と佐藤厚志さん（４０）の「荒地の家族」が選ばれた。直木賞は小川哲さん（３６）の「地図と拳（こぶし）」と千早茜さん（４３）の「しろがねの葉」に決まった。 　贈呈式は２月下旬に東京都内で行われ、正賞の時計と副賞１００万円が贈られる。　 　 　◇芥川賞・井戸川射子さんの略歴 　井戸川　射子（いどがわ・いこ）８７年、兵庫県生まれ、在住。関西学院大卒。１９年、詩集「する、されるユートピア」で中原中也賞、２１年「ここはとても速い川」で野間文芸新人賞を受賞。 　 　◇芥川賞・佐藤厚志さんの略歴 　佐藤　厚志（さとう・あつし）８２年、仙台市生まれ。東北学院大卒。１７年「蛇沼」で新潮新人賞を受賞しデビュー。２０年「境界の円居（まどい）」で仙台短編文学賞大賞受賞。同市内の書店勤務。 　 　◇直木賞・小川哲さんの略歴 　小川　哲（おがわ・さとし）８６年、千葉市生まれ。東京大大学院博士課程中退。１５年「ユートロニカのこちら側」でハヤカワＳＦコンテスト大賞を受賞しデビュー。１８年「ゲームの王国」で日本ＳＦ大賞と山本周五郎賞、２２年「地図と拳」で山田風太郎賞を受賞。東京都在住。 　 　◇直木賞・千早茜さんの略歴 　千早　茜（ちはや・あかね）７９年、北海道生まれ。立命館大卒。０８年「魚神（いおがみ）」で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。０９年に同作で泉鏡花文学賞、１３年「あとかた」で島清（しませ）恋愛文学賞、２１年「透明な夜の香り」で渡辺淳一文学賞を受賞。（了）【時事通信社】