中山きくさん死去＝９４歳元学徒、沖縄戦語り継ぐ

　太平洋戦争末期の沖縄戦で、女学生の看護隊「白梅学徒隊」に動員され、悲惨な地上戦の経験を語り継いできた中山きくさんが１２日、がんのため死去した。９４歳だった。葬儀は１７日午後２時から、那覇市銘苅３の２２のサンレー那覇北紫雲閣で。 　１９４５年、沖縄県立第二高等女学校４年だった中山さんは、白梅学徒として沖縄本島南部の野戦病院で負傷兵の看護に当たった。米軍が迫り、日本軍が住民を巻き込みつつ南部へ撤退する中で学徒隊は解散。中山さんは手りゅう弾を手渡されたが、自決を思いとどまった。 　戦後は記憶を共有するための語り部として、修学旅行生らに反戦を訴え続けた。米軍関係者によって繰り返される事件や事故への抗議活動にもたびたび関わった。　 　元学徒らでつくる「白梅同窓会」会長を務めた。慰霊塔「白梅之塔」（糸満市）を保全し、慰霊祭の継続に取り組むボランティア団体「若梅会」の結成にも携わった。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕太平洋戦争末期の沖縄戦の戦跡を案内する元白梅学徒の中山きくさん（左）＝２０１６年６月、沖縄県八重瀬町 〔写真説明〕中山きくさん