「被害者支援、再犯防止念頭に」＝女性初、畝本東京高検新検事長

　東京高検検事長に１０日付で就任した畝本直美氏（６０）が１３日、東京・霞が関で記者会見した。「体感治安を揺るがす凶悪事件などは後を絶たず、情報通信技術を悪用する事件も多発し、真相解明は一層難しくなっている」と指摘し、「諸課題に対し検察の理念に立ち返って公正・誠実に取り組む」と抱負を語った。 　検事総長に次ぐ法務・検察ナンバー２とされるポストで、女性の就任は初めてとなる。「ずっと男性が務めていたポストであれば、誰かが女性初になる」としつつ、任官者のほぼ半数を女性が占める最近の現状に「隔世の感があり、景色は変わった」とも。 　法務省保護局長を務めた際、更生や社会復帰支援の現場で保護司や民間団体が大きな役割を果たしているのを目の当たりにし、「検察権の行使に被害者支援や再犯防止の視点を忘れてはならない」との思いを強くしたという。「検察は刑事司法の一部にすぎないとの自覚を持つ大切さを教えてもらった。司法の流れをトータルで理解していないと、適切な検察権の行使に結びつかない」と説き、現場の検事には「民間の活動を見て学んでほしい」と求めた。　 　畝本氏は中央大法卒で、１９８８年に任官。保護局長や最高検公判部長、広島高検検事長などを務めた。千葉県出身。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕就任記者会見に臨む畝本直美・東京高検検事長＝１３日午後、東京都千代田区