１０歳未満女児に脳死移植＝肝臓、小腸同時―京大病院

　京都大付属病院は２８日、脳死判定を受けた１５歳未満の少年の肝臓と小腸を、１０歳未満の女児に同時に移植する国内初の手術を８月に実施したと発表した。術後の経過は良好で、女児は既に退院したという。 　同病院によると、女児は生まれた時から小腸で栄養を十分に吸収できず点滴で補っていた。今年７月に肝不全と診断され、肝臓と小腸の脳死移植登録を行った。 　手術ではまず肝臓の一部を女児に移植した後で、小腸を移植。１６時間３９分で無事終了した。残った肝臓は別の患者に提供された。 　手術後は肝臓、小腸とも拒絶反応などは見られず、容体は安定。今月１５日に退院した。 　両親は病院を通じて「おなかいっぱい食べられるようになり、笑顔が増えた。元気に成長することがドナー（提供者）家族への恩返しになる」とコメントを出した。手術を担当した岡本竜弥講師は「肝臓を含む複数の臓器を同時に移植することで、小腸移植の成績向上が期待される」と話している。　（了）【時事通信社】