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反撃能力反発、日本へ挑発示唆=北朝鮮、与正氏は「通常角度でICBM」


 【ソウル時事】朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省報道官は20日、日本政府が安全保障関連3文書を改定し「反撃能力」(敵基地攻撃能力)保有を打ち出したことに反発し、「どれほど懸念し、不快に思っているかを実際の行動で示し続ける」と軍事挑発を示唆した。一方、金与正朝鮮労働党副部長は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を実戦を模した「通常の角度」で発射すると威嚇した。  16日の3文書改定以降、北朝鮮の反応は初めて。日本の上空を越えたり、日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾したりするミサイルの発射を念頭に置いている可能性もある。  報道官は「日本の主張する『反撃能力』は主権国家の合法的な自衛権保有とは全く関係ない他国の領域への先制攻撃能力だ」と強調。「国連憲章の乱暴な侵害であり、国際平和と安全に対する深刻な挑戦だ」と主張した。  その上で「(北朝鮮が)国家主権と領土保全、根本利益を守るための軍事的措置を断行する権利を持っている」と表明。「身がおじけ立つ戦慄(せんりつ)を通じて、誤った危険な選択をしたことに気付くだろう」とけん制した。  日本の反撃能力保有は、台湾有事も念頭に置いている。報道官は「朝鮮半島と東アジア地域に重大な安保危機が押し寄せている」と指摘する中で、「領土保全」「根本利益」といった中国と似た用語も使用した。専門家の間では「北朝鮮が最近、中国と同様の表現を使う例が増えている」という分析があり、日本の反撃能力保有に反発する中国との連帯感もにじませたとみられる。  一方、与正氏は20日の談話で、既にICBMの大気圏再突入技術を獲得したと主張。通常角度の発射での技術獲得を疑う見方に対し「やってみれば分かることだ」と言い放った。  新型ICBM「火星17」の最大射程は1万5000キロを超えるとされ、米本土に十分届くが、これまで高角度の「ロフテッド軌道」で発射していた。韓国・北韓大学院大の金東葉教授は与正氏の談話について「通常角度の発射に向けた大義名分づくり」と分析し、「米国にとり最も脅威となるカードだ」と指摘した。 【時事通信社】 〔写真説明〕北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)=11月18日、平壌(朝鮮中央通信配信)(AFP時事)
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