反政府デモの死者１２人に＝前大統領罷免・拘束で混乱深まる―ペルー

　【サンパウロ時事】南米ペルーのＲＰＰラジオは１５日、カスティジョ前大統領の罷免と拘束をきっかけに全国に広がっている反政府デモに関連し、これまでに１２人が死亡したと伝えた。南部イカ州では、緊急手術のため搬送中の乳児がデモ隊の道路封鎖に阻まれ、命を落としたという。 　政府は１４日、全土に非常事態宣言を布告。軍を動員し市民の集会や移動を制限しているが、収束に向かう様子はなく、混乱が深まっている。古都クスコと世界遺産マチュピチュ遺跡を結ぶ鉄道も運行を中止。現地旅行会社によると、遺跡の麓の村で８００人の観光客が足止めを余儀なくされている。 　日本人観光客も巻き込まれている。在ペルー日本大使館は「人数が動いているので確たる数字は言えない」としながらも、確認された限り、負傷者や体調を崩した日本人はいないと説明した。　【時事通信社】