上院廃止、地方分権強化を＝次期政権へ政策文書公表―英労働党

　【ロンドン時事】英最大野党・労働党は５日、次期総選挙で勝利し、政権に就いた場合を想定した政策文書を公表した。貴族らで構成する上院の廃止や地方分権強化を提示し、与党・保守党とは違う独自色をアピール。政権交代を通じた変化の必要性を国民に訴えた。 　英国ではキャメロン政権からスナク現政権まで約１２年間、保守党が政権を握っている。しかし、ジョンソン政権で繰り返された不祥事やトラス政権での経済混乱などで保守党への不信は拡大の一途だ。世論調査では労働党が支持率で大幅にリードしており、２０２４年までに行われる見込みの総選挙での政権交代実現に労働党の期待は膨らんでいる。 　政策文書は、スターマー党首が記者会見で発表した。ブラウン元首相が中心となり２年かけて作成し、政権担当時に実行する４０の政策を打ち出した。 　選挙を経ていない貴族や聖職者ら約８００人で構成される現在の上院について、スターマー氏は「正当化されない」と廃止を提案した。もっと小規模で公選制の「民主的に選ばれた議会」を新たに設けようと呼び掛けている。　【時事通信社】 〔写真説明〕英野党・労働党のスターマー党首＝１１月２２日、中部バーミンガム（ＡＦＰ時事）