エクアドル敗退、チリは歓迎＝南米予選でトラブル―Ｗ杯

　【サンパウロ時事】サッカーのワールドカップ（Ｗ杯）カタール大会で２９日、１次リーグＡ組のエクアドルがセネガルに１―２で負けて大会を去ったことは、同じ南米のチリで歓迎ムードで報じられている。南米予選敗退のチリは、エクアドルが出場資格のない選手を起用したと訴えていたが、国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）やスポーツ仲裁裁判所（ＣＡＳ）に主張を退けられていた。 　ラジオ局ビオビオ（電子版）は「セネガルが正義を成し遂げ、エクアドルを帰国に追いやった」と報道。テレビ局メガのニュースサイトも「彼らは家に帰る！　エクアドルは南米で最初にＷ杯を去ることになった」との見出しで負けを歓迎した。主要紙メルクリオ（電子版）の記事には「なんて喜ばしい！」「彼らはいかさまで出場し、ただ消え去っていくだけ」など、辛辣（しんらつ）なコメントが並んだ。 　訴えが認められればチリがエクアドルに代わって出場する公算が大きかっただけに、チリのファンにしてみればエクアドルは「Ｗ杯を盗んだ」にっくき相手。風当たりは強く、Ｗ杯が今後も両国のしこりとなる可能性がある。　【時事通信社】 〔写真説明〕決勝トーナメント進出を決め、喜ぶセネガルの選手（奥）。手前は敗れたエクアドルの選手＝２９日、ドーハ