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医師が美術鑑賞券「処方」=心の不調治療の一環―ベルギー


 【ブリュッセル時事】心の不調に苦しむ患者の治療の一環で、医師が美術館などの無料鑑賞券を患者に「処方」する取り組みが、ベルギーのブリュッセルで試験的に行われている。担当責任者は「文化を通じて、人々のウェルビーイング(身も心も満たされた状態)に貢献したい」と話し、欧州初の本格実施を目指す考えを示した。  うつ病やバーンアウト(燃え尽き症候群)などに悩む患者の処方箋に記載されるのは、治療薬ではなく市内5カ所の文化施設。市立博物館や現代美術を展示するギャラリーが含まれ、患者は医師と相談して選んだ1カ所に無料で入館できる。  施設で処方箋を提出し入館する際、家族や友人ら3人まで一緒に入ることが可能。同伴者の入館料も市が負担する。  この事業は、市の文化・観光部門の責任者デルフィーヌ・オーバ氏が2019年、同様の取り組みを行うカナダを訪問したことがきっかけで始まった。オーバ氏は、新型コロナウイルス禍が「誰にとってもメンタルヘルス(心の健康)が重要だと気付かせてくれた」と語り、芸術に触れる機会を増やす意義を強調した。  世界保健機関(WHO)は19年の報告書で、3000以上の研究を踏まえ、病気の予防や健康増進の面で芸術が大きな役割を担うと指摘。音楽鑑賞や文化施設の訪問などと、ストレス軽減の関連性を裏付ける研究結果にも言及している。  事業に協力するブルグマン大学病院の精神科医ビンセント・ルスティジャー氏は「治療の土台は当然、心理療法や化学療法だ」と指摘する。一方で、芸術鑑賞について「患者が失ったり避けたりしてきた感情や感覚を取り戻そうとするものだ」と評価。自宅や病院以外の場所に出向くことも有益だと考えている。  9月中旬に始まった事業の実施期間は半年。市は本格導入に向け、処方箋の発行状況や、患者にどの程度受け入れられたかなどを分析する方針だ。 【時事通信社】 〔写真説明〕処方箋について説明するブリュッセル市の担当責任者デルフィーヌ・オーバ氏=9月21日、ブリュッセル 〔写真説明〕ブルグマン大学病院の医師ビンセント・ルスティジャー氏=10月3日、ブリュッセル 〔写真説明〕医師が患者に処方する文化施設の一つ、ブリュッセル市立博物館=2日、ブリュッセル
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