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今も残るファシズムの影=ムソリーニ政権発足から100年―イタリア


 【パリ時事】イタリアでファシスト党を率いる独裁者ムソリーニが政権を奪取してから、31日で100年。10月下旬には、ファシスト党の流れをくむ極右「イタリアの同胞(FDI)」のメローニ党首が首相に就任した。メローニ氏はファシズムとの決別を強調するが、ムソリーニ政権の影は各所に残る。  ◇党ロゴで物議  メローニ氏は、ムソリーニ支持者が第2次大戦直後に結成した「イタリア社会運動(MSI)」に15歳で加入。1996年にはフランスのメディアに「ムソリーニは良い政治家だったと思う。全てはイタリアのためだった」と語っている。  総選挙前の8月中旬には、MSIと同じ3色の炎を掲げた新たな党のロゴを発表した。この炎はムソリーニの墓を永遠に照らすとされ、ファシズムへの忠誠も意味していた。  ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)生還者のセグレ終身上院議員は「炎のシンボルを消すように」と強く反発。地元メディアによると、FDI内でも撤回を求める声が上がったが、メローニ氏は意に介さなかったという。ローマ・ラ・サピエンツァ大のマッティア・ディレッティ研究員は「メローニ氏は、まだファシストとの絆を持っている」と指摘する。  ◇ムソリーニの遺産  伊中部プレダッピオにあるムソリーニの墓には年間数万人が訪れ、土産物の売れ行きも好調だ。これ以外にもファシスト政権の遺産は多く、ローマ市内の競技場にはムソリーニの名が刻まれたオベリスク(石柱)がそびえ立つ。伊高級服飾ブランドのフェンディは、ムソリーニの演説を引用した文章が刻まれたビルに本社を構える。  調査会社イプソスが昨年10月に公表した世論調査では、16~25歳の若者の66%が「ムソリーニ政権は非難されるべき点もあるが、プラスの面もあった」と回答。「完全に非難すべきだ」と答えたのは29%にとどまった。  伊ジャーナリストのアルド・カズーロ氏はロイター通信に対し、大戦で荒廃したベルリンと異なり、ムソリーニ時代に整備されたローマの街並みは比較的無傷で残ったと指摘。そのため「イタリア人はファシズムに対する罪の意識を捨て去り、ムソリーニについて誤った考えを持っている」と分析する。英極右研究センターのバレリオ・ブルーノ研究員も、AFP通信に「多くの伊国民はファシズムと本当に向き合ったことがなく、ますます寛容になりつつある」と危機感を示した。 【時事通信社】 〔写真説明〕イタリアの国家ファシスト党を率いた独裁者ムソリーニ(AFP時事) 〔写真説明〕イタリアのメローニ首相=8月23日、中部アンコナ(AFP時事)
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