消費税不正還付、摘発へ本腰＝対策本部、ドラマ配信も―追徴額急増・国税当局

　消費税の不正還付をめぐり、国税当局が摘発や抑止に向けた活動を本格化させている。東京国税局は全国初となる「消費税不正還付対策本部」を９月に設置し、調査専門の担当者も拡充。国税庁は不正還付調査をドラマ仕立てにしたインターネット番組を２８日から配信し、問題の周知や未然防止を目指す。 　事業者が仕入れ時に支払った消費税額が、売り上げに掛かった税額を上回ると、差額の還付を受けられる。２０１９年の消費税増税の影響もあり、２０年度の還付申告の件数は前年比２割増の約１８万３０００件に到達。不正還付による追徴額も、昨年６月までの１年間に３４億円で、前年比３７．１％増と大幅に上昇した。 　東京国税局は７月から不正還付の調査専門担当者を７０人から１０８人に増員。９月末には対策本部も設置し、名実ともに本腰を入れる。 　国税庁は、事業者の還付申告に疑問を抱いた税務署の調査官らが実態解明に乗り出し、不正防止につなげる様子を約２０分の動画にまとめた。同庁ホームページや動画配信サイト「ユーチューブ」で視聴できる。 　同庁広報広聴室は「難しい言葉を極力排除し、イラストで説明するなど分かりやすい内容にした。ぜひ見ていただきたい」としている。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕国税庁が作成したインターネット向けドラマ（同庁提供）