大日本図書が教育長接待＝教科書業界、自主ルールで禁止

　教科書会社「大日本図書」（東京都文京区）の営業担当幹部らが７月、茨城県五霞町の教育長と会食し、代金を全額負担していたことが３０日、同社への取材で分かった。 　教科書協会の自主ルール「教科書発行者行動規範」では、教育長らは「採択関係者」とされ、接待や金品提供などの利益供与を禁じている。同社は今後、第三者委員会を設置して調査する。 　大日本図書によると、会食は７月１日に茨城県内の料亭であり、同社の東日本支社長と同県営業担当社員、五霞町の教育長と知人の元中学校長の計４人が参加した。飲食代は１人約９５００円で、全て同社が負担。教育長らには約１６００円の菓子も渡されたという。 　五霞町など複数の市町村は共同で同じ教科書を採択しており、小学校４教科と中学校２教科について、同社の教科書が使われているという。 　文部科学省は「極めて遺憾。事実関係を把握した上で厳正に対処したい」としている。 　大日本図書の話　会食の席で採択の話はなかったが、行動規範で禁止されている重大なコンプライアンス違反で誠に遺憾だ。　（了）【時事通信社】