「トー横」リンチ死、懲役１０年求刑＝ボランティア団体の２７歳男―東京地裁

　東京・新宿の歌舞伎町でホームレスの氏家彰さん＝当時（４３）＝を集団リンチで死亡させたとして、傷害致死罪に問われたボランティア団体元メンバー、関口寿喜被告（２７）の裁判員裁判が２８日、東京地裁（平出喜一裁判長）であり、検察側は「最年長で止めることもできたのに、率先して執拗（しつよう）に暴行した」として、懲役１０年を求刑した。 　氏家さんは「ＴＯＨＯシネマズ新宿」の通称「トー横」と呼ばれる一帯で生活し、関口容疑者は炊き出しなどを行う「歌舞伎町卍（まんじ）会」副会長だった。 　検察側は論告で、氏家さんは無抵抗のまま関口被告や少年ら数人に囲まれ７時間にわたって全身に暴行を受けたと指摘。頭蓋内出血し、ほぼ全ての肋骨（ろっこつ）を折られ、「『生き地獄』だった」とした。 　弁護側は、関口被告が氏家さんと少年らのトラブル仲裁で現場に向かったが、いら立ちを感じて暴行に及んだと主張し、情状酌量を求めた。 　起訴状によると、関口被告は昨年１１月２７日、少年らと歌舞伎町のビル屋上で氏家さんに暴行を加え、外傷性ショックで死亡させたとされる。　（了）【時事通信社】