１１０番映像送信、１０月から＝通報者が撮影、全国で―警察庁

　警察庁は２２日、事件や事故、火災などの現場を目撃した人が１１０番した際に、スマートフォンで撮影した映像も送ってもらうシステムの試行を１０月１日から全国の警察で開始すると発表した。試行結果を踏まえ、来年４月１日から本格運用する。 　警察庁の担当者は「スマートフォンの普及で映像を撮影しやすい環境となっている。警察としても警察官が現場に到着する前に状況を正確に把握でき、初動対応に生かすことができる」と狙いを説明した。　 　システムでは、１１０番通報を受けた警察の通信指令室の担当者が現場の映像が必要と判断すれば、通報者に安全な形での撮影や映像の著作権を放棄することなどが可能か確認。同意を得られればスマートフォンやタブレット端末にショートメッセージサービス（ＳＭＳ）でアドレス（ＵＲＬ）を送り、通報者は担当者から伝えられたアクセスコードを入力してログインする。 　カメラ機能が起動して撮影映像が指令室に送信され、現場に向かう警察官に送られる。映像はスマートフォン内に残らない。通報前に撮影した画像を送ることもできる。 　同様のシステムは兵庫県警で２０２０年１０月から運用されており、今年７月末までに４９５件の映像が送信された。車両火災の通報で警察官が到着する前に状況が分かったり、傷害事件で逃げた容疑者の特徴などが映像から判明し、逮捕に結び付いたりしたケースがあった。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕１１０番通報時に映像も送信できるシステムのデモンストレーションを行う警察庁の担当者＝２２日午後、東京都千代田区