神奈川・真鶴町長を刑事告発＝選挙人名簿の不正コピー疑い

　神奈川県真鶴町の松本一彦町長（５６）が２０２０年、選挙人名簿を不正にコピーして自身の選挙などで利用していた問題で、同町は１６日、公選法違反（職権乱用による選挙の自由妨害）などの疑いで、松本町長ら２人を県警小田原署に告発した。 　他に告発されたのは、真鶴町の選挙管理委員会の元書記長。 　告発状によると、松本氏は同町職員だった２０年２月、同年９月の町長選に利用する目的で選挙人名簿を町の文書保管庫から持ち出してコピー。２１年７月には元書記長と共謀し、町議選に出馬を予定していた候補者３人に名簿のコピーを交付するなどしたとされる。 　町側の代理人弁護士を務める狩野直哉弁護士らは１６日、記者会見を開き、告発について「前例がないだろう。公的な重職にあるにもかかわらず、順法意識が低いことが一番の問題だ」と話した。 　松本町長は「捜査に対しては真摯（しんし）に対応する。これまで以上に粉骨砕身働く」などと文書でコメントを発表した。　（了）【時事通信社】