県立障害者施設で虐待疑い２５件＝職員の半数関与―神奈川

　神奈川県は５日、県立の知的障害者施設「中井やまゆり園」（中井町）で、昨年度までの７年間に、虐待が疑われる事案が２５件確認されたと発表した。不適切な対応も含め、関与した職員は約半数に当たる７６人に上るといい、県は処分を検討するとともに、県警に相談する方針。 　この日公表した外部調査委員会の報告書で明らかにした。虐待が疑われる事案には、職員が入所者の４０代男性に腕をかまれて殴ったのに、記録では「（自分で）どこかにぶつけてあざができた」としていたものがあった。 　このほか、便で汚れた居室で生活させたり、共用スペースで全裸にしてボディーチェックを行っていたりした事案もあり、報告書は「（入所者が）人間らしい生活を送れなくなっている」と指摘した。県は障害者虐待防止法に基づき、関係する１１自治体に通報した。　 　中井やまゆり園は県直営で約９０人が入所、職員は約１６０人。２０１６年に起きた別の県立施設「津久井やまゆり園」での殺傷事件を受け、障害者施設の在り方を見直す中で虐待に関する情報が寄せられ、調査委を設置して調べていた。（了）【時事通信社】