浴衣で撮影、警察が一時拘束＝「騒動挑発」ネットで物議―中国・蘇州

　【北京時事】中国江蘇省蘇州市で、浴衣を着て写真撮影しようとしていた女性が警察に一時拘束されたとする動画が拡散し、ネット上で物議を醸している。「ユニクロを着ている人も尋問されるかも」「誰もが着る服を選ぶ自由がある」と女性を擁護する意見のほか、「警察を支持する」といったコメントも見られた。 　報道によれば、女性は１０日、日本食の店が連なる蘇州の商店街で、浴衣を着てたこ焼きを買う列に並んでいた。動画では「写真を撮りに来ただけ」と訴える女性に対し、警察が「漢服なら何も言わないが和服を着ている。中国人だろう」と詰め寄り、「騒動挑発」の疑いで女性を連行する様子が映っている。拘束は５時間にわたり、浴衣も没収されたという。 　共産党機関紙系の論客、胡錫進氏はＳＮＳで、警察の対応には「法的根拠がない」と指摘。一方、中国人の複雑な対日感情にも触れ、「私たちの社会は和服を禁止すべきでないが、着るときは周囲の環境に注意し、不要な議論に巻き込まれないように」と助言した。 　７月には、江蘇省南京市の寺に、日中戦争時の南京攻略に関わった旧日本軍人の名前が書かれた位牌（いはい）が祭られていたことが分かり、奉納した中国人女性が拘束されている。この後、「夏祭り」と称した日本風のアニメイベントが南京を皮切りに各地で中止となるなど、政治的に敏感になっている。　【時事通信社】 〔写真説明〕中国・蘇州で浴衣を着て写真撮影する女性とされる画像（ＳＮＳより・時事）