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文化遺産をデジタル化=攻撃に備え保護急ぐ―ウクライナ


 【リビウ(ウクライナ)時事】ロシア軍によるウクライナ侵攻は、多数の文化遺産に被害をもたらしている。紛争が長期化する中、西部リビウでは今後の攻撃による破壊の可能性に備え、文化遺産のデジタル化で保護に取り組む専門家がいる。  テクノロジー企業「スケイロン」共同代表のユーラ・プレポドブニ氏(28)は「ロシア軍の全面的侵攻を受け、文化遺産の保護は急務」と危機感を抱き、貴重な建築物を精密な3次元データで記録するプロジェクトを立ち上げた。建物の状態をデジタルデータとして正確に記録することで、破壊された場合に修復の助けとなるという。  高画質デジタルカメラとレーザースキャナーを使い、建物の内装と外観の数千枚以上の画像を撮影。デジタル処理を施し、立体的なモデルに仕上げる。建物の規模により、完成には数日から2カ月程度かかる。3次元データの活用は、2019年に大火災が起きたパリのノートルダム大聖堂の再建でも検討されているという。  スケイロンはこれまでにリビウ州や近隣州で、教会を中心に19カ所のデータ化を手掛けてきた。プレポドブニ氏は「首都キーウ(キエフ)や北部チェルニヒウでの活動も検討している」と述べ、プロジェクト拡大に意気込む。  ウクライナ文化省によると、7月下旬時点でロシア軍の侵攻で、全国434件の文化遺産に被害が出た。  中心部の歴史地区が世界遺産に登録されているリビウは、前線から遠く、ロシアからのミサイル攻撃は限定的。中心部の文化財に被害は出ていない。しかし、侵攻から5カ月が過ぎた今も、空爆に備えて貴重な彫像はフェンスなどで覆われ、教会のステンドグラスはベニヤ板で保護されたままだ。  保護措置は爆風など間接的な被害を防ぐためで、直接攻撃されたら防ぎようがない。文化遺産のデジタル化は「(万が一のための)バックアップ」とプレポドブニ氏。「われわれのデータが使われる必要がないことを願っている」。 【時事通信社】 〔写真説明〕テクノロジー企業「スケイロン」共同代表のユーラ・プレポドブニ氏=1日、ウクライナ西部リビウ 〔写真説明〕ウクライナ・リビウにあるドミニカ教会の3Dモデル(外観)(スケイロン提供・時事) 〔写真説明〕ウクライナ・リビウにあるドミニカ教会の3Dモデル(内装)(スケイロン提供・時事) 〔写真説明〕保護されるネプチューン像=2日、ウクライナ西部リビウ
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