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まきで調理、車から自転車へ=苦境の市民生活、中国に援助の動き見られず―スリランカ


 【ニューデリー時事】スリランカのゴタバヤ・ラジャパクサ大統領が辞任を決めたのは、外貨不足で燃料を輸入できず、まきによる調理や車から自転車への乗り換えなどを強いられている国民の不満をかわせなくなったためだ。親中路線を取ってきたスリランカは、途上国に債務を負わせ支配を強める中国の「債務のわな」にはまったとの見方もあるが、危機に陥って以降は中国から十分な援助を得られていない。  「割を食っているのは一般市民」。最大都市コロンボ近郊のネゴンボで日本人向け旅行会社を営む山倉義典さん(58)は、悪化の一途をたどる生活を嘆いた。  発電用の燃料不足で1日計3時間ほど停電になる一方、工業地帯や政府要人の家には電気が優先的に供給されているという。パンや卵の価格は「1年前の3倍」になった。各世帯で利用されているプロパンガスも手に入りにくくなり、山倉さんの会社で働く50代の男性運転手はまきで調理している。山倉さんは「内戦が終結して豊かになる前に逆戻りしたようだ」と話す。  AFP通信によると、レストランを経営するカルナワティさん(67)もまきを用いた調理を始めた。AFPの取材に「まきでの調理は煙を吸い込んでしまうが、選択肢がない。まきを探そうにも難しく、とても高価になっている」と述べた。  ガソリン不足で通勤などの足を車から自転車に切り替える中間層も増えている。ロイター通信によれば、医師のカハダワさん(41)は自家用車をガレージに置いて自転車でコロンボの患者の元を駆け回る。カハダワさんは「初めの頃はガソリンを得るため2、3時間列に並んでいたが、3週間ほど前には列の中に3日間いた。自転車購入はやけっぱちの行動だった」と語る。  スリランカは現在、中国から支援を引き出そうと動いているが、目立った成果を挙げていない。アジア経済研究所の荒井悦代・南アジア研究グループ長はこの間の中国の姿勢について、2005~15年に親中派政権に多額の融資を行ったことに照らせば「冷淡だと感じざるを得ない」と指摘した。 【時事通信社】 〔写真説明〕燃料不足のため、まきで調理する女性=4日、スリランカ・コロンボ(EPA時事)
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