ケネディ大統領ら銃撃の犠牲に＝海外メディア「日本ではまれ」

　安倍晋三元首相が８日、遊説中に銃で撃たれ、亡くなった。外国の首脳でも過去に、ケネディ米大統領らが凶弾に倒れた。銃犯罪の少ない現代の日本で首脳経験者が犠牲となったことに、海外メディアは驚きをもって受け止めている。 　米国では１９６３年、ケネディ大統領が遊説先のテキサス州ダラスでパレード中に狙撃された。事件直後に実行犯として逮捕された容疑者が護送中に射殺された結果、真相は闇に葬られた形となった。８１年にはレーガン大統領が銃撃され、重傷を負った。 　インドでは８４年、初代首相ネールの長女で同国初の女性首相となったインディラ・ガンジー氏が、護衛官によって射殺された。長男のラジブ・ガンジー元首相も９１年に暗殺されており、その境遇から一族は「インドのケネディ家」と呼ばれることもある。 　パレスチナの暫定自治を認めた９３年の「オスロ合意」の立役者となったイスラエルのラビン首相は９５年、合意に反対するイスラエル人によって殺害された。２０２１年７月、カリブ海の島国ハイチでモイーズ大統領が武装集団に自宅で暗殺された事件は記憶に新しい。 　海外メディアは、こうした事件に触れつつ、銃規制の厳しい日本では異例の銃撃事件として報道。米ＣＮＮテレビ（電子版）は、銃の販売や所持が厳しく制限されているとし「銃犯罪は日本では極めてまれだ」と報じた。ＡＦＰ通信は、選挙運動での政治家と有権者の距離が近いと指摘する専門家の見方を伝えた。　【時事通信社】 〔写真説明〕ケネディ米大統領＝１９６３年（ＡＦＰ時事）