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被災の製麺所、復活へ=「土石流に負けたくない」―静岡・熱海


 静岡県熱海市の土石流災害で被害を受けた老舗製麺所が再建を進めている。「土石流に負けたくないんだよ」。社長の中島秀人さん(53)は長年愛されてきた麺を地元のファンに届けようと、今月中旬の営業再開を前に意気込んでいる。  「やっとだ。もう1年だもんね」。伊豆山地区で70年以上続く「コマツ屋製麺所」を経営する中島さんは6月下旬、完成間近となった新工場を訪れ、感慨深そうにつぶやいた。製麺機のあった以前の工場は土石流で一部が損壊。警戒区域にあるため、上階の自宅にも戻れなくなった。  工場は中島さんと妻、義母らで切り盛りし、生麺やギョーザ、ワンタンを製造。学校給食のほか、俳優の高倉健さんも通った地元の人気ラーメン店などに納めてきた。  被災後、多くの人に支えられた。「あしたはどこに納品するんだ。(代わりに)送ってやる」。土石流が起きた当日、すぐに電話をくれたのは、中島さんが20代のころ修業した東京都内の製麺所の社長だった。被災翌日からコマツ屋製麺所に代わって麺を納品してもらっているという。  「再開するまでは他の麺でもいいから。待ってるよ」。得意先からも温かい言葉を掛けられた。一時は廃業も考えたが、「お客さんを置いて自分だけやめるわけにはいかない」と自分を奮い立たせた。「お客さんとのつながりは一番大きい。救われた」と振り返る。  工場の面積は以前の3分の1程度となり、ゆで麺などは製造できなくなった。それでも以前から要望のあった直売を新たに始めるなど前を向く。  住民の一部が避難生活を続ける現状に「これで日常に戻れたのかというと、違う」と心境は複雑だ。いずれ元の工場を活用して、住民がつながる場所をつくりたいとし、「コマツ屋が復旧のシンボルになれれば」と力を込めた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕静岡県熱海市の土石流災害で被災したコマツ屋製麺所の再建を進める社長の中島秀人さん=6月23日、同市上多賀
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