タイ受刑者が下水道清掃＝出所後視野に社会貢献

　【バンコク時事】タイのバンコクで１日、受刑者による下水道清掃が始まった。受刑者の社会復帰を支援しながら、雨期に入った都心の洪水を防ぐ一石二鳥の試みだ。 　初日は希望者の中から選ばれた受刑者３００人が参加。長靴を履き、マンホールから下水道に潜った。９月末までの３カ月間で、下水道約５３０キロの清掃を目指す。 　受刑者は１日当たり３３１バーツ（約１２５０円）の手当を支給されるほか、作業日数分だけ刑期を短縮される。刑期を１年半残す受刑者（３４）は「社会に貢献できるし、家族のために稼げる。楽ではないが、社会復帰前の良い訓練になる」と前向きに話した。 　バンコクでは例年、雨期の６～１０月は道路が頻繁に冠水し、交通に支障を来している。作業を見守ったソムサック法相は「市民の助けになる。出所後の生活にも役立つだろう」と語った。　【時事通信社】