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細菌による金属腐食の過程解明=インフラ保全に応用期待―海洋機構など


 海洋研究開発機構と秋田大などの研究チームは、細菌が金属を腐食させる過程を明らかにしたと発表した。成果は、幅広い社会インフラの保全コスト削減につながると期待される。論文は4日、材料科学の専門誌に掲載された。  金属は酸素や酸などの化学的要因だけでなく、細菌などの微生物によっても腐食する。硫酸塩還元細菌が排出する硫化水素が原因の一つとして知られているが、検出されない例もあり、その過程はよく分かっていなかった。  海洋機構の若井暁・副主任研究員らは、9種類の金属材料を工業用水に漬け1~22カ月後に回収。付着した微生物を採取し、遺伝子解析で調べた。  炭素鋼などの腐食しやすい金属では、腐食が進むにつれて主要な微生物が鉄酸化細菌、鉄還元細菌、硫酸塩還元細菌の順に変遷。硫酸塩還元細菌は初期には少なく、14カ月目以降に増えることが分かった。  クロムを含む腐食しにくい金属では硫酸塩還元細菌はほとんど検出されず、局所的な腐食が進むとともに硫黄酸化細菌が増えた。内部に硫黄をため込む性質があるため、これが腐食の原因とみられるという。  腐食防食学会の試算では、金属腐食による国内の経済損失は年間5兆円に及ぶ。若井さんは「微生物がすみやすい環境をバトンタッチしながら腐食を進めることが分かった。腐食の進行度評価や、抑制技術につながれば、コストを劇的に減らせる」と話している。 (了)【時事通信社】
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