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事件への執念、「黄金期」体現=温かさ併せ持つ特捜検事―熊崎氏


 事件に対するすさまじい執念と、取り調べを受けた相手さえも包み込んでしまうような温かさを持った検事だった。元特捜部長の熊崎勝彦氏は数々の大事件に携わり、「最強の捜査機関」と言われた東京地検特捜部の黄金期を担った。
 取り調べで供述を引き出すのがうまい捜査官は「割り屋」と呼ばれる。熊崎氏もその一人で、「取り調べは人格と人格のぶつかり合い」と話していた。正面から容疑者らと向き合い、自分に不利な事実もしゃべらせていったという。
 若い頃、調べのために一緒に東京拘置所に通ったという元検事は熊崎氏について「割り屋の中でも『熱い割り屋』。独特の熱さで調べに当たっていた」と振り返る。
 事件捜査に対する厳しさは格別だった。「事件は生き物」が口癖で、時には報道に対して猛烈な勢いで抗議をすることもあった。一方、記者や後輩検事からは「クマさん」と慕われ、先輩や上司からも「クマちゃん」と愛された。調べを受けた関係者から感謝されることもあったという。
 検察幹部の定年延長をめぐる検察庁法改正案が出された際、検事総長経験者が意見書を出したことを受け、「元特捜検事有志でも何かすべきだ」と声を上げたのも熊崎氏だった。折に触れ、「政財界に切り込むのが特捜部だ」と語っていた熊崎氏にとって、検察の独立・中立性が保てなくなる事態は決して容認できなかったようだ。 (了)【時事通信社】
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