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日航機遺族の絵本、ミュージカルに=7月上演、「パパの柿の木」―キャスト稽古「思い伝える」・大阪


 520人が犠牲となった1985年の日航ジャンボ機墜落事故で、夫を亡くした谷口真知子さん(74)=大阪府箕面市=が出版した絵本「パパの柿の木」を基にしたミュージカルが7月、大阪市で上演される。「当たり前の毎日を大切に生きて」。絵本に込められた思いを舞台で表現しようとキャストの稽古が始まっている。  「まち子 子供よろしく」。機内で短いメモを残した正勝さん=当時(40)=がかつて庭に植えた柿の木は、事故の年に初めて実を付けた。谷口さんは2016年、柿の木に励まされて育った2人の息子を描いた絵本を出版し、学校などで読み聞かせを続けてきた。  今年3月に府内で開かれたミュージカルの事前説明会。谷口さんは絵本を手に事故当時を振り返り、「日々の暮らしに追われ、子煩悩で優しかったパパのつらさに気付いたのは何年もたってからでした」とキャストの候補者に語り掛けた。  府内でダンススタジオを経営し、ミュージカルを企画した小野達也さんは(42)は「日常を大切にしてほしいという絵本のメッセージを表現したい」と語る。オーディションを経てスタジオに通う約25人の配役が決まり、4月10日に台本の読み合わせが始まった。  キャストの多くは事故後の生まれ。谷口さんは稽古に立ち合い、絵本に込めた思いをひとつひとつ伝えている。長男役に選ばれた中学1年鈴木楓さん(12)は「私は家族を亡くした経験はないけど、谷口さんの悲しみ、悔しさを想像して演じたい」と話した。舞台では大阪で活動するアーティスト北川たつやさん(36)が絵本を基に作曲した「茜空」も歌われる。  柿の木は毎年葉を落とし冬には枯れたように見えるが、春に芽吹き、秋にたくさんの実を付ける。「つらいことがあっても、前を向いていれば必ず春は来ます」と話す谷口さん。事故を知らなかった世代へ思いが広がることに、「パパが背中を押してくれているのかな」と笑顔を見せた。ミュージカルは7月10日、大阪市立青少年センターで2回上演される。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕絵本「パパの柿の木」に込めた思いをミュージカルキャストに伝える谷口真知子さん(左端)=4月10日、大阪府茨木市 〔写真説明〕絵本「パパの柿の木」に込めた思いをミュージカルキャストに伝える谷口真知子さん(左端)=4月10日、大阪府茨木市
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