「ちかんされていませんか？」＝アプリに新機能、声掛け後押し―警視庁

　警視庁は８日、同庁の防犯アプリ「デジポリス」に「ちかんされていませんか？」との文言を表示できる新機能を追加した。電車や駅で痴漢被害に遭っている人に周囲が画面を見せ、声を掛けたり、退避させたりしやすくするのが狙い。 　同庁は新機能を通じ、痴漢被害を見て見ぬふりをしないように社会の機運醸成を図る。 　「デジポリス」にはこれまで、被害者が声を上げずに助けを求められるように、画面をタップするだけで「痴漢です。助けてください」との文言が画面に表示され、警告音も鳴る機能があった。 　新機能は、周囲の人が被害者に画面を見せ、声を掛けたり、退避させたりする使い方を想定。痴漢に気付いても対処方法が分からず、「傍観者」になってしまう状況を減らすのが目的だ。　 　痴漢対策の啓発をめぐっては昨年、居合わせた人への呼び掛けを増やそうと、京都女子大の学生と京都府警が「『ちかんかも』と思ったら１１０番を」と訴えるポスターを作成した。 　京都女子大法学部の市川ひろみ教授は「痴漢の現場で沈黙することは、結果的に加害者を助長する。直接、『やめろ』と言えなくても、被害者に声を掛けたり、１１０番をしたりするだけで性暴力抑止につながる」と話している。（了）【時事通信社】